ステンレスパイプの作り方として、一般的には連続鋼管と呼ばれる4ⅿ~10ⅿ程度の
長尺材を一気に作ってしまうことが多いです。
一方、板巻きパイプは、必要な長さにカットしたシートをプレスやロール機を使用して、
パイプに成形し、突き合わせ部分をプラズマやTIG溶接を使用して溶接する加工になります。
必要な長さのパイプを必要な分だけ製造できるため、多品種少量生産に優れており、
SDGsが重視される昨今に非常にマッチした加工方法といえます。
一般的な連続鋼管に比べると口径の精度が出づらい場合もあります。
特に突き合わせの溶接部分は少し縦伸びすることが多く、大げさに言うと、
しずく型のような形状となることがあります。
弊社では口径精度がシビアな場合は、後加工でリサイジング加工を行うことで、
お客様の要求品質に見合った製品をご提供します。
突き合わせ部分の溶接方法は一般的にTIG溶接を使用することが多いです。
これは母材同士を溶かして接合する工法であり、フィラーレス溶接では
メジャーかつ安価な手法となります。
一方で弊社はプラズマ溶接を採用しております。
TIG溶接に比べるとコスト的には高くなりますが、溶接の溶け込みの
安定性が圧倒的によく、品質的に優位性があります。
弊社の板巻きパイプは製造のほとんどが自動化されており、
その分コスト的に高価なプラズマ溶接を採用しても、他社と比べて
コスト的な優位を保持することができます。
板巻きパイプについては様々な径と板厚の取り合わせが自由に選択可能です。
なぜなら一点一様に低コストの初期投資で金型を起こすことで、
比較的少量でもイニシャルコストを抑えた開発ができるためです。
とはいえ、板巻きパイプはステンレスの板をプレスを使って曲げてロール
していくため、あまりに厚い板だと加圧力不足で曲げられない場合も
ございます。
径と板厚の取り合わせについては是非弊社までお問い合わせください。
連続鋼管パイプについてはパイプの突き合わせ部分は全長すべて溶接されています。
これは連続鋼管機の設定上避けられない仕様であります。
一方で板巻きパイプについては突き合わせ部の溶接はロボットの設定でいかようにも
変更可能です。
実はパイプ加工において一番費用が発生する工程は溶接です。
そのため、特にパイプの使用用途で密閉性が必要でない場合は、実はフルで突き合わせ
部分を溶接する必要がない場合もあります。
お客様の使用用途に応じて、溶接長もオーダーメイドで変更し、
より安価にパイプをご提供いたします。
弊社では30年以上培ってきた板巻きパイプ製法を使用して、
主に自動車業界で年間2,000万本ものステンレスパイプを提供してきました。
必要な長さ分だけパイプにできる板巻き製法は、ステンレスのような高価な
材料とは非常に相性がよく、お客様の在庫削減やコスト改善に大きく寄与
致します。
ご興味があれば是非お問い合わせフォームにてまずはお問い合わせ願います。